業界紙に掲載されました

7月4日、鳥取県中部地区のスイカを届ける為に、宮城県仙台市に向けて出発した。いつもの荷物とは違い、様々な人の思いも一緒に載せ一段とハンドルを握る手には力が入り、一層荷物の重みを感じた。この企画について聞かされた時は、自分がこのような大役を引き受けてよいのだろうかとの、不安とためらいがあった。ただ、3月12日の震災後、自分にできることはないか…と考えた時に「義援金」だけしか思いつかなかった私には、実際に被災地行くことで、自分にとっても貴重な経験になるのではないかと考えた。
  7月5日の夕方前に現地に到着した。市内はあまり震災の影響を感じさせない賑わいをみせていた。仙台市より北東約10㎞に位置する塩釜市まで行ってみた。道路はスピードが出せないくらいの凹凸がついており、海辺近くにある工場は、海水だろうか水が辺り一面溜まっていた。ガソリンスタンドの店員さんに震災について尋ねたところ、激しい揺れのあと津波で膝下まで浸かったらしい。ここより東に1、2㎞の場所では、田んぼで亡くなられた方もいたと言う。何キロも離れた鳥取県から来た私には人事のように「頑張ってください」といった、ありきたりの言葉しか掛けることができず、自分の無力さも感じた。
被災地の一日も早い復興を心より願っています。このような貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

                                     中部貨物(有) 酒巻 良行


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